全体的な歯列不正は意外と治しやすいものです。家の建て替えに似ていて、お口の中のデザインをがらっと変えることによって状態を新しくすることができます。
歯並びがわるいと健康に影響が出ることがあります
歯並びのかたむきと、かみ合わせを全体的に改善した治療例
歯並びにかたむきがある場合、よく調べてみると奥歯のかみ合わせがずれていたり、十分にかみ合っていないことが多いようです。
そのような状態を長く放置すると、気づかぬうちに何らかの体調不良や機能の低下(発音や咀嚼が不十分になるなど)をもたらすことがありますので、全体的に歯並び・かみ合わせ治す必要があります。
全体的に治すというのは、建築にたとえると建て替えのようなものです。
全体的な矯正治療は一見大がかりに感じられるかもしれませんが、じつは部分的な矯正治療よりも治しやすいことが多いのです。
部分的な矯正治療は限られたスペースで限られた方法によって治さなければならないので不自由な面も多く苦労することが多々あります。
その点、全体的な矯正治療はやや大がかりになるとともに治療期間もやや長めになってしまいますが、劇的な変化をともなって治るということもあり、終わったときのよろこびはとても大きいものです。
この治療例では小臼歯を4本抜くことで全体的にすっきりとした口元にしあげることができました。治療期間は約1年半でした(現在は小臼歯の抜歯は極力ひかえています)。
歯を抜かずに歯のかたむきをおこして全体的に治した治療例
一ヶ所だけ歯が内側に入りこんでいると、そこが支点となって全体的に歯並びやかみ合わせがずれてしまうことがよくあります。この治療例では歯を抜かずに歯のかたむきをおこすことで、歯並びとかみ合わせ、そして正中を改善することができました。
部分的に重なりが強いとあごの動きがスムーズでなくなることがあります。するとさまざまな不調をもたらしますので、早期に治しておくことをおすすめします。この治療例は約1年半ほどかかりました。
矯正治療における抜歯について
矯正治療を始めるにあたって以前は部分的に歯を抜くことが一般的でしたが、最近は抜かないで治すことが多くなりました。
しかしながら抜かずに治そうとすると、場合によっては口元のおさまりがわるくなるなどの不具合を生じることもありますので、状況に応じて部分的に歯を抜いて治すようにしています。
歯を抜かないで治す場合、歯のかたむきをおこす、歯の側面を少しだけこするようにけずってスペースを確保する(ジスキング)、歯並びをわずかに横に広げるなどの方法を用いて治してゆくことになります。
いずれの場合もあごの大きさ、歯の大きさ、形、歯の本数、左右対称性などの状態をよく調べてから歯を抜くべきかどうか、抜く場合はどの歯を抜くかなどを検討し、できるだけ歯を抜かずに治療を進めてゆきます。
この記事のまとめ
全体的な歯列不正は意外と治しやすいものです。家の建て替えに似ていて、お口の中のデザインをがらっと変えることによって状態を新しくすることができます
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