全体的な歯列不正は実はガラッと劇的に治ります。しかもそれが自然な仕上がりなのです。
歯並びが悪いと体に悪い影響が出ることがあります
いちばん出やすい影響は咀嚼(そしゃく)における影響です。歯並びが悪いともしかしたら食べ物をよくかめていないかもしれません。食事を通して栄養は体内に取り入れられ、体は維持されるわけですから、体が十分に成長するためにも、そして快適な毎日を過ごすためにもしっかり咀嚼できる歯並びとかみ合わせを備えておく必要があります。
矯正治療だけでこれらすべてが得られるわけではありませんが、ひとつの中心軸にはまちがいなくなると思います
その次に出やすい影響は姿勢に関する影響です。かみ合わせが左右にずれていたり、深すぎるかみ合わせだったり、上下にすきまがあって部分的にかみ合っていない開校状態だったりすると、全身の筋肉が十分に働いていない可能性があります。体を支える骨格や筋肉は想像以上にかみ合わせと密接に関係していますので、それらの筋肉がスムーズに機能し、バランスの良い姿勢が維持できるようなかみ合わせを備えておく必要があります。
それでは一つ目の治療例を見てまいりましょう。
大きく傾いた歯並びを全体的に治した治療例
歯並びに傾きがあると奥歯が十分にかみ合わなくなることがあります。そのような状態が長く続くとそれが影響して気づかぬうちに体調不良や慢性疾患を生み出していることがあります。全体的に傾いている歯並びかみ合わせは放置せずに治す方向で検討しましょう。
全体的な歯列不正の矯正治療は大がかりな治療になってしまうことに不安を感じてしまうかもしれませんが、実は部分的な矯正治療よりも治ってゆく過程を実感しやすいのでいつまでも治療に対する興味や関心が保たれるというメリットがあります。
矯正治療においてはモチベーションが低下しないことがとても大事ですので、そういった気持の面が失われずにゴールを迎えることができるという点で全体的な矯正治療は多くの方に喜んでいただいています。
劇的な変化を伴って治ることもあり、治療が終わったときの感動は絶大です。
この治療例では小臼歯を4本抜くことで全体的にすっきりした口元に仕上げることができました。
歯を抜かずに歯の傾きを起こして全体的に治した治療例
一ヶ所だけ歯が内側に入りこんでいるとそこに上下の歯がはまり込んでブロックされ、全体的に顎の動きが制限されてしまうことがあります。この治療例では歯を抜かずにブロックされている部分をほぐしながらかみ合わせを改善しました。
矯正治療における抜歯について
矯正治療を始めるにあたって以前は部分的に歯を抜くことがごく一般的でしたが最近は抜かずに治すことが多くなりました。
しかしながら抜かずに治そうとすると場合によっては口元のおさまりが悪くなることもありますので、状況に応じて部分的に歯を抜いて治すようにしています。
イメージとしましては前歯をたくさん後方に下げたいという願望がある方や、客観的にそのような判断に至った場合は抜歯して治したほうが良いと思います。
非抜歯矯正について
歯を抜かずに治す場合は歯の側面を少しだけ削ってスペースを確保するジスキング(ディスキング)や歯並びをわずかに横に広げる側方拡大などの方法を併用しながらで治してゆきます。そのほかアンカースクリューという小さなネジを使って歯を効果的に動かす方法も応用することもあります。
歯を抜かずに治す非抜歯矯正に対する私からの提案は、いずれにしましてもひとまず非抜歯で進めておいて進捗状況や挙動を観察しつつもしあとから抜歯の必要を感じた場合はその段階で抜歯を選択することも可能ですのでご安心ください。人間の心理は変化しやすいものですのでそのあたりに対する決められない不安や迷いがある場合は余裕を持って取り組んでおいてください。私自身も多くの経験から抜歯には慎重な姿勢で対応するようにしています。
この記事のまとめ
全体的な歯列不正は実はガラッと劇的に治ります。しかもそれが自然な仕上がりなのです。