矯正治療は近年、マウスピース矯正の登場により注目を集めるようになりました。これまで主流だったワイヤー矯正に加えて、新たな選択肢が広がったことで、治療法の幅が大きく変化しています。ただし、マウスピース矯正の利便性や話題性に注目が集まる一方で、ワイヤー矯正が持つ確実性や治療の安定性も改めて見直すべきポイントです。矯正治療を考えるうえでは、それぞれの特性を理解したうえで、最適な方法を選ぶことが大切です。
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日本で矯正治療を受けている人の割合は?
矯正治療は、以前よりも身近な治療となってきましたが、日本全体でどれほどの人が矯正治療を受けているのでしょうか。
統計データによると、生涯で矯正治療を受けたことがある人は全体の約10%(約1,238万人)、現在矯正中の人は2〜3%(約250〜480万人)とされています。
特に10代では約15〜20%と比較的高い割合となっています。
矯正治療経験の有無(全国推定)
- 矯正治療未経験:約90%(約1億1,1142万人)
- 矯正治療経験あり:約10%(約1,238万人)
ワイヤー矯正とマウスピース矯正の割合推移
これまではワイヤー矯正が主流でしたが、近年ではマウスピース矯正の普及が急速に進んでいます。以下のグラフは、治療法別シェアの変化を示したものです。
年度 | ワイヤー矯正 | マウスピース矯正 |
---|---|---|
2024年(推定) | 55% | 45% |
2023年 | 60% | 40% |
2020年 | 70% | 30% |
2015年 | 85% | 15% |
2010年 | 95% | 5% |
マウスピース矯正のシェア・メーカー別比較
現在、日本国内においてマウスピース矯正市場で最も多く利用されているのは「インビザライン」で、シェアは約80%以上とされています。その他の代表的な製品とその推定シェアは以下の通りです。
- インビザライン(アラインテクノロジー):約80%
- クリアコレクト(ストローマン):約10〜15%
- アソアライナー(アソインターナショナル):約5〜10%
- その他国内製品(スマイルトゥルー等):少数シェア
- インハウスアライナー(医院完結型マウスピース矯正):
マウスピース矯正の注意点とトラブル事例
近年では、SNSなどを通じて極端に安価なマウスピース矯正を謳う広告や、「モニター価格」と称して治療を勧誘する商法が広がり、社会問題としても取り上げられるようになっています。
実際に消費者庁も注意喚起を行っており、過大な広告には慎重な姿勢が求められます。
まとめ
マウスピース矯正は著しい進化を続け、多くの方にとって有益な選択肢のひとつとなっています。
しかし、治療はあくまで「診断」と「経過の管理」がとても重要です。信頼できる歯科医院でしっかりと治療計画を立ててもらいましょう。
※本記事のデータ出典:矯正歯科ガイド、Statista、歯科市場レポート、アラインテクノロジーIR資料等