抜いたあとのぶくぶくはやめましょう
歯を抜いたあとにいちばん注意すべき点は、強くぶくぶくとゆすがないことです。
歯を抜くと出血が始まります。しばらく出血が続いたのち、血液は徐々に粘性を帯びてその場(抜いたあとの空洞)にたまってゆきます。
たまった血液は徐々にかたまりとなって、はずれにくくなります。この現象は血液が抜いた空洞を保護するふたのような働きを開始したことを現します。
ところがついうっかり強くぶくぶくとゆすいでしまうと、血液のかたまりがはずれて再び出血が始まり、いつまでも血が止まらなくなります。
このように、抜歯直後に強くゆすぐと血が止まらなくなるということをよく知っておいてください。
抜いたあとの2~3日は特に慎重にすごしましょう
次に注意すべき点は、一旦出血が止まって血液のかたまりが形成されたとしても、引き続き強くゆすがないことです。そして食べ物がつまったのが気になるからといってハブラシやつまようじのようなものでかき出さないことです。
一旦抜いた部分が落ち着いたとしても、まだまだ油断はできません。必要以上に刺激を加えてしまうと、激しい痛みと苦痛をともなう症状に見舞われることがあります。この状態をドライソケットといいます(抜いた部分の骨が露出した状態です)。
このような治癒不全が起こらないように、歯を抜いたあとは指示どおりに安静にすごすようにしましょう。
ドライソケットに注意しましょう
ドライソケットの原因は、抜いたあとに強くぶくぶくとゆすいだり、必要以上にさわってしまったことなどによります。
ドライソケットのドライは乾燥している状態を表します。つまり抜いたあとの空洞が何にも満たされずに空洞のままになっている状態です。骨がむきだしになっているので、痛みも強いわけです。
通常歯を抜いたあとはある程度の痛みが生じます。特に問題がなければこの痛みは徐々におさまってゆきます。
ところが数日~一週間経過してから激痛が起こることがあります。このタイミングで生じる痛みがドライソケットであることが多いのです。
ドライソケットの予防方法は、抜いたあとに強くゆすがない、舌先やハブラシ、つまようじなどで抜いたところをさわらない、安静に過ごす、栄養と休養をとる、処方された薬をきちんと服用するなどです。
万一ドライソケットが生じてしまった場合の対策ですが、残念ながら特効薬のようなものはありません。一回でおさまる治療方法もありません。安静にして自然治癒を待つのが唯一の対策ということになります。
まずは歯科医院で消毒処置を受けていただきまして、抗生剤、鎮痛剤を引き続き服用していただきます。そのほか自然治癒を促すために、からだを休ませることや栄養をとることも大事です。
抜歯処置を受ける際は、数日前から十分体調管理をしておいて、歯を抜いたあとの数日を注意深く過ごすということがとても大事です。